カネケヤキ

カネケヤキ
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 1961年3月12日
死没 1995年10月28日
(34歳没・旧35歳)
カネリユー
コンキユバイン
母の父 ルパシャ
生国 日本の旗 日本
青森県上北郡横浜町
生産者 青森牧場
馬主 金指吉昭
調教師 杉浦照中山)→成宮明光(中山)
競走成績
生涯成績 16戦6勝
獲得賞金 1627万円
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カネケヤキは、1960年代に活躍した日本競走馬である。1964年の日本牝馬クラシック二冠桜花賞優駿牝馬)を達成した。その他朝日杯3歳ステークス2着、菊花賞5着がある。1964年啓衆賞最優秀4歳牝馬

1995年までサラブレッド長寿記録を、2015年までサラブレッド牝馬最長寿記録を保持していた。

戦績

1963年から1965年にかけ16戦6勝。主戦騎手野平祐二で、見習騎手が騎乗したオープンでの1戦をのぞくすべてのレースで騎乗した。

1963年10月中山競馬場でデビュー。8番人気の低評価を覆して初戦を快勝。次走を2着とした後、オープン戦、中山の3歳牝馬ステークスと連勝して臨んだ朝日杯3歳ステークスは、1番人気に推されるも、ウメノチカラにアタマ差及ばなかった。

牝馬二冠達成

明け4歳となってからは、京成杯弥生賞をそれぞれ6、4着と凡走、続くオープン戦も2着と敗れた。桜花賞では4番人気にまで人気を落としたが、先行抜け出しの競馬で2着のフラミンゴに2馬身差をつけ、快勝。この後、東京の4歳牝馬特別に勝利すると、本番の優駿牝馬はヤマニンルビーに3馬身差をつけ、二冠を達成。4歳牝馬の頂点に立った

菊花賞挑戦

秋は、クイーンステークスから始動したが、脚部不安から調子を崩し、同じ4歳牝馬のフラワーウツドに4馬身差の2着と完敗。続く、セントライト記念も勝ったウメノチカラから3馬身離された3着に終わった。この後、京都に遠征。オープン戦を5着として、菊花賞に臨んだ。カネケヤキは近走の不調から、12頭立ての9番人気と言う低評価だった。

当時はビクトリアカップ(1970年創設。後のエリザベス女王杯秋華賞の前身)が創設される前で、日本セントレジャーに相当する菊花賞への牝馬の挑戦は珍しいものではなかった。実際にカネケヤキ以前に牝馬二冠を達成した3頭はいずれも菊花賞に挑戦しており、このほかクリフジやブラウニーと言った菊花賞を勝利した牝馬も居た[1]。とは言え、牝馬三冠は正式に設定されたものではなく注目もされなかった。一方、この年はクラシック三冠を狙うシンザンが出走しており、大きな注目を集めていた。結果的にこの競走は牡馬と牝馬の二冠馬が三冠をかけて対決した最初で最後の菊花賞である。

レースでは、他馬を大きく引き離しての大逃げをうつという奇策に出た。4コーナーまで粘り、レースを大きく盛り上げた。直線で失速したものの、脚部不安のなか牡馬に伍しての5着と健闘した。

この後は、5歳時にオープン戦を1戦しただけで引退、繁殖入りした。

引退後

生まれ故郷の青森牧場で繁殖牝馬となったが仔出しが悪く、目立った活躍馬を出すことができないまま、1984年、繁殖を引退した。

同牧場で余生を送っていたカネケヤキに、再び注目が集まったのは1995年ヒカルメイジコマツヒカリの母であるイサベリーンが持っていたサラブレッドの最長寿記録(34歳と192日)を、10月5日に更新すると報じられた[2]10月28日午後0時30分に老衰のため死亡[3]。34歳と230日という大往生だった。

なお、サラブレッドの最長寿記録は、同年11月19日に奇しくも同じレースに出走したこともあるシンザンが更新した。サラブレッド牝馬最長寿記録も2015年にウラカワミユキ(ナイスネイチャの母)、そのウラカワミユキの記録も2018年にはルーキー(競走名ラツキーシラギク)が更新しており、重賞勝ちの最長寿馬牝馬の記録も2021年メインキャスターが更新した。ただし、メインキャスターはGIII馬であるため、2022年2月現在もカネケヤキがGI級競走勝ち馬の最長寿であることは変わっていない。

子孫は孫にカネミカサが出ているがその後は活躍馬に恵まれず、2023年2月現在でも存続するものの非常に縮小している。現役繁殖牝馬はいないが、2022年8月24日に抹消されたラブミードゥの引退事由が繁殖牝馬となっている。

血統表

カネケヤキ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 マンナ系

カネリユー
1951 鹿毛
父の父
ミルトン
1936 鹿毛
Miracle Manna
Brodick Bay
*シガアナ
Cigana
Solario
Granada
父の母
神鈴
1939 鹿毛
*プリメロ
Primero
Blandford
Athasi
*スリリング
Thrilling
Theo Bold
Ling

*コンキユバイン
Concubine
1948 鹿毛
Le Pacha
1938 鹿毛
Biribi Rabelais
La Bidouze
Advertencia Ksar
Ad Gloriam
母の母
Climax
1942 栗毛
Precipitation Hurry On
Double Life
Riot Colorado
Lady Juror
母系(F-No.) (FN:9-c) [§ 2]
5代内の近親交配 Phalaris 5×5=6.25%、Swynford 5×5= 6.25%(父内) [§ 3]
出典
  1. ^ [4]
  2. ^ [4]
  3. ^ [4]


脚注

  1. ^ 牝馬の菊花賞成績は、2011年までに出走した牝馬44頭中、2頭が勝利し、25頭が5着以内に入っている
  2. ^ 「カネケヤキ35歳 あす サラブレッド最長寿に '64桜花賞、オークス制した牝馬」『読売新聞』1995年(平成7年)10月4日付東京本社夕刊3面。
  3. ^ 『日刊スポーツ』1995年10月29日付15面。
  4. ^ a b c “血統情報:5代血統表|カネケヤキ|JBISサーチ(JBIS-Search)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2018年1月1日閲覧。

関連項目

  • シャルロット(軽種馬・サラブレッド最長寿)
  • ルーキー(軽種馬・サラブレッド牝馬最長寿)
  • ウラカワミユキ(元繁殖牝馬最長寿。元々はカネケヤキの記録を更新したサラブレッド牝馬最長寿)
  • シンザン(JRAにおける現在のGI競走に相当する重賞優勝馬最長寿・元種牡馬最長寿。元々はカネケヤキの記録を更新したサラブレッド最長寿)
  • メインキャスター(JRA重賞優勝牝馬最長寿)
  • イサベリーン(カネケヤキの前のサラブレッド最長寿)
  • ケイウーマン(2022年2月現在存命中のJRA重賞優勝牝馬最長寿・元繁殖牝馬最長寿)

外部リンク

  • 競走馬成績と情報 netkeiba、JBISサーチ
(旧)最優秀4歳牝馬
1950年代
  • 54 該当馬なし
  • 55 サスケハナ
  • 56 フエアマンナ
  • 57 ミスオンワード
  • 58 ミスマルサ
  • 59 オーカン
1960年代
1970年代
1980年代
1990年代
2000年代
最優秀3歳牝馬
2000年代
2010年代
2020年代
  • 1 2001年より馬齢表記法が数え年から満年齢に移行
    *2 1972年、1981年は2頭が同時受賞
    *3 1954-1971年は「啓衆社賞」、1972-1986年は「優駿賞」として実施。
桜花賞勝ち馬
1930年代
1940年代

第2回 タイレイ / 第3回 ブランドソール / 第4回 バンナーゴール / 第5回 ミスセフト / 第6回 ヤマイワイ / 第7回 ブラウニー / 第8回 ハマカゼ / 第9回 ヤシマドオター

1950年代

第10回 トサミツル / 第11回 ツキカワ / 第12回 スウヰイスー / 第13回 カンセイ / 第14回 ヤマイチ / 第15回 ヤシマベル / 第16回 ミスリラ / 第17回 ミスオンワード / 第18回 ホウシユウクイン / 第19回 キヨタケ

1960年代

第20回 トキノキロク / 第21回 スギヒメ / 第22回 ケンホウ / 第23回 ミスマサコ / 第24回 カネケヤキ / 第25回 ハツユキ / 第26回 ワカクモ / 第27回 シーエース / 第28回 コウユウ / 第29回 ヒデコトブキ

1970年代

第30回 タマミ / 第31回 ナスノカオリ / 第32回 アチーブスター / 第33回 ニットウチドリ / 第34回 タカエノカオリ / 第35回 テスコガビー / 第36回 テイタニヤ / 第37回 インターグロリア / 第38回 オヤマテスコ / 第39回 ホースメンテスコ

1980年代
1990年代

第50回 アグネスフローラ / 第51回 シスタートウショウ / 第52回 ニシノフラワー / 第53回 ベガ / 第54回 オグリローマン / 第55回 ワンダーパヒューム / 第56回 ファイトガリバー / 第57回 キョウエイマーチ / 第58回 ファレノプシス / 第59回 プリモディーネ

2000年代

第60回 チアズグレイス / 第61回 テイエムオーシャン / 第62回 アローキャリー / 第63回 スティルインラブ / 第64回 ダンスインザムード / 第65回 ラインクラフト / 第66回 キストゥヘヴン / 第67回 ダイワスカーレット / 第68回 レジネッタ / 第69回 ブエナビスタ

2010年代

第70回 アパパネ / 第71回 マルセリーナ / 第72回 ジェンティルドンナ / 第73回 アユサン / 第74回 ハープスター / 第75回 レッツゴードンキ / 第76回 ジュエラー / 第77回 レーヌミノル / 第78回 アーモンドアイ / 第79回 グランアレグリア

2020年代

第80回 デアリングタクト / 第81回 ソダシ / 第82回 スターズオンアース / 第83回 リバティアイランド / 第84回 ステレンボッシュ

優駿牝馬勝ち馬
1930年代

第1回 アステリモア / 第2回 ホシホマレ

1940年代

第3回 ルーネラ / 第4回 テツバンザイ / 第5回 ロツクステーツ / 第6回 クリフジ / 第7回 ミツマサ / 第8回 トキツカゼ / 第9回 ヤシマヒメ / 第10回 キングナイト

1950年代

第11回 コマミノル / 第12回 キヨフジ / 第13回 スウヰイスー / 第14回 ジツホマレ / 第15回 ヤマイチ / 第16回 ヒロイチ / 第17回 フエアマンナ / 第18回 ミスオンワード / 第19回 ミスマルサ / 第20回 オーカン

1960年代

第21回 スターロツチ / 第22回 チトセホープ / 第23回 オーハヤブサ / 第24回 アイテイオー / 第25回 カネケヤキ / 第26回 ベロナ / 第27回 ヒロヨシ / 第28回 ヤマピット / 第29回 ルピナス / 第30回 シャダイターキン

1970年代

第31回 ジュピック / 第32回 カネヒムロ / 第33回 タケフブキ / 第34回 ナスノチグサ / 第35回 トウコウエルザ / 第36回 テスコガビー / 第37回 テイタニヤ / 第38回 リニアクイン / 第39回 ファイブホープ / 第40回 アグネスレディー

1980年代
1990年代

第51回 エイシンサニー / 第52回 イソノルーブル / 第53回 アドラーブル / 第54回 ベガ / 第55回 チョウカイキャロル / 第56回 ダンスパートナー / 第57回 エアグルーヴ / 第58回 メジロドーベル / 第59回 エリモエクセル / 第60回 ウメノファイバー

2000年代

第61回 シルクプリマドンナ / 第62回 レディパステル / 第63回 スマイルトゥモロー / 第64回 スティルインラブ / 第65回 ダイワエルシエーロ / 第66回 シーザリオ / 第67回 カワカミプリンセス / 第68回 ローブデコルテ / 第69回 トールポピー / 第70回 ブエナビスタ

2010年代

第71回 アパパネ・サンテミリオン(同着) / 第72回 エリンコート / 第73回 ジェンティルドンナ / 第74回 メイショウマンボ / 第75回 ヌーヴォレコルト / 第76回 ミッキークイーン / 第77回 シンハライト / 第78回 ソウルスターリング / 第79回 アーモンドアイ / 第80回 ラヴズオンリーユー

2020年代