大谷光道

大谷 光道(おおたに こうどう、1945年1月15日[1] - )は、浄土真宗の僧で、宗教法人本願寺第25代法主。京都市右京区の嵯峨本願寺住職。院号は明照院。法名は秀如。第125代天皇明仁の従兄弟にあたる。兄は大谷光紹大谷暢順大谷暢顯。三女は新門の大谷光純。

経歴

東本願寺第24世法主(のちに門首)・大谷光暢(闡如)の四男として誕生。母は久邇宮邦彦王の三女で香淳皇后の妹にあたる大谷智子。 教義や教団の運営方針、財産問題等を巡り、教団内で保革が対立。改革派が主導権を握った真宗大谷派内局(当局)と父である光暢らとの確執が表面化した(「お東騒動」)。そして、光暢が京都の東本願寺を真宗大谷派から独立させることを表明する事態となった。 その後2005年に真宗大谷派との間で、内事(東本願寺の庫裏にあたる部分)の居住権を巡っての和解が成立し、内事を立ち退いて明け渡し、新規に獲得した嵯峨の地に移転した。 2007年には、京都府より「宗教法人本願寺」として宗教法人の認証を受け[2]、2010年には本堂を落慶した。 嵯峨の本願寺の公式の見解では、第24世大谷光暢(闡如)遷化(1993年)後 遺言により東本願寺を継職し、2005年に東本願寺の寺基を烏丸七条から嵯峨に移転したということになり、東本願寺嫡流を名乗っている。[3]

その後光道は真宗大谷派に対し、大谷祖廟に埋葬された歴代宗主の遺骨を含む土を引き渡すよう訴訟を起こしたが、2017年に京都地方裁判所はこの訴えを棄却[4]。裁判は控訴審、上告審と継続されたが、最終的に2018年、最高裁判所は1・2審の判決を支持し、光道の上告を棄却[5]して確定した。

脚注

  1. ^ 『平成新修旧華族家系大成』上巻(霞会館、1996年)p.313
  2. ^ riptulip (2007年2月8日). “大谷光道氏が法人格を取得 「本願寺」設立 :  《浄土真宗ニュース》 ぱいんの真宗ブログ《日々浄土真宗》”. 《浄土真宗ニュース》 ぱいんの真宗ブログ《日々浄土真宗》. 2021年8月21日閲覧。
  3. ^ 本願寺 本願寺について
  4. ^ 中外日報 (2017年4月). “『ラーク便り』データベース - (公財)国際宗教研究所”. 国際宗教研究所. 2021年8月21日閲覧。
  5. ^ “大谷光道氏:遺骨引き渡し訴訟 最高裁も認めず /京都 | 毎日新聞”. 毎日新聞社 (2018年8月17日). 2021年8月21日閲覧。

著書

  • 『いづれの行もおよびがたき』(探究社・2008年)

本願寺寺基の移転と分立

東西分立前
本願寺の歴史

大谷廟堂 1272-1295(1321) → (大谷影堂)1295-1321大谷本願寺1321 - 1465 山科本願寺1483 - 1532石山本願寺(大坂本願寺)1532 - 1580鷺森本願寺1581 - 1583 ⇒ 貝塚本願寺1583 - 1585天満本願寺1585 - 1591本願寺(堀川六条)1591 - (1603) → (1603本願寺の東西分立

東西分立後
(本願寺〈西〉) → 1881 - 浄土真宗本願寺派
(本願寺〈東〉) → 1881 - 真宗大谷派
東本願寺分派後
(1881) - 真宗大谷派
1988 - 浄土真宗東本願寺派

東京本願寺1981 - 2001 → 浄土真宗東本願寺派本山東本願寺2001 -

浄土真宗大谷本願寺派
本願寺文化興隆財団

⇒ 本山本願寺(山科区上花山)1996 -

本願寺(京都市右京区)

⇒ (嵯峨)本願寺2005 -

東西分立後も、1987年に真宗大谷派が「宗教法人 本願寺」の解散の登記を行うまでは、共に「本願寺」が正式名称である。真宗大谷派は、1987年以降も「真宗本廟」の別称として「本願寺」を用いている『宗憲』第十三条
記号 - 「⇒」は寺基移転を表し、「→」は寺基移転を伴わない名称変更などを表す。

本願寺歴代

東西分立前

(宗祖) 親鸞 - (2) 如信 - 3 覚如 - 4 善如 - 5 綽如 - 6 巧如 - 7 存如 - 8 蓮如 - 9 実如 - 10 証如 - 11 顕如 - (12→隠退) 教如) - (1603年 本願寺の東西分立

東西分立後
西本願寺

西12 准如 - 西13 良如 - 西14 寂如 - 西15 住如 - 西16 湛如 - 西17 法如 - 西18 文如 - 西19 本如 - 西20 広如 - 西21 明如 - 西22 鏡如 - 西23 勝如 - *西24即如 - 西25大谷光淳(専如) -

東本願寺

東12 教如 - 東13 宣如 - 東14 如 - 東15 常如 - 東16 一如 - 東17 真如 - 東18 従如 - 東19 乗如 - 東20 達如 - 東21 嚴如 - 東22 現如 - 東23 彰如 - 東24 闡如東本願寺分派

東本願寺分派後
真宗本廟(東本願寺)
浄土真宗東本願寺派本山東本願寺

東本25 興如 - 東本26大谷光見(聞如) -

­本山本願寺(浄土真宗大谷本願寺派)[1]

東山25 大谷暢順(經如)[2] -

(嵯峨)本願寺

嵯峨25 大谷光道(秀如) -

略称 - 「西」=本願寺派、「」=大谷派、「東本」=東本願寺派、「東山」=(東山上花山)本願寺、「嵯峨」=(嵯峨)本願寺
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