G.723.1

G.723.1 は、特に話声向けに最適化された音声コーデックであり、音声を30ミリ秒単位のフレームで圧縮する。アルゴリズム上の先読みが7.5ミリ秒なので、アルゴリズムによる遅延は全体で37.5ミリ秒である。

なお、G.723とは全く異なるコーデックである。

G.723.1 のビットレートは以下の2種類がある。

  • 6.3 kbit/s(24バイトフレーム)、MPC-MLQアルゴリズム(MOS 3.9)
  • 5.3 kbit/s(20バイトフレーム)、ACELPアルゴリズム(MOS 3.62)

用途

G.723.1 は狭帯域幅で済むため、主にVoIPで利用されている。DTMFファクシミリの音などはこのコーデックでは転送が難しく、G.711や帯域外の方法でそれらの信号を転送する。アルゴリズムの計算量は16MIPSで間に合う程度である。なお、2.2KBのRAMをコードブック用に必要とする。

特徴

  • サンプリング周波数 8 kHz、16ビット(30ミリ秒のフレームに対して240サンプル)
  • 固定ビットレート(5.3 kbit/s - 20バイトフレーム、6.3kbit/s - 24バイトフレーム)
  • どちらのビットレートでもフレームサイズは固定
  • アルゴリズム遅延はフレーム当たり 37.5 ミリ秒。うち 7.5 ミリ秒は先読み遅延。
  • ビットレートによって使用するアルゴリズムが異なる。5.3 kbit/s は MPC-MLQ (Multi-Pulse LPC with Maxmum Likelihood Quantization)、6.3 kbit/s は ACELP (Algebraic Code Excited Linear Prediction)
  • G.711 の計算量を 1 としたとき、このコーデックの計算量は 25 である。ちなみに G.729a では 15
  • G.723.1 Annex A には、4バイトの Silence Insertion Descriptor (SID) フレームによるコンフォートノイズ生成が定義されている。
  • 理想的条件下でのPSQM(音質評価法の一種)の平均オピニオン評点は 4.08(G.723.1、6.3kbit/s)。ちなみに G.711 (μ-law) では 4.45 である。
  • ネットワーク負荷条件下でのPSQMの平均オピニオン評点は 3.57(G.723.1、6.3kbit/s)。ちなみに G.711 (μ-law) では 4.13 である。

ライセンス

G.723.1 を使用するには、アルゴリズムに関するいくつかの特許のライセンスを取得する必要がある。特許が全て失効するのは2014年の予定。

関連項目

外部リンク

マルチメディア圧縮フォーマット
動画ファイルフォーマット
ISO/IEC
ITU-T
SMPTE
AOMedia
IETF
SAC
  • AVS(英語版)
その他
  • Apple Video(英語版)
  • Bink(英語版)
  • DVI(英語版)
  • EVC(英語版)
  • GIFアニメーション
  • Microsoft Video 1(英語版)
  • MSU Lossless(英語版)
  • OMS Video(英語版)
  • ProRes 422
  • ProRes 4444
  • RTVideo(英語版)
  • SheerVideo(英語版)
  • Smacker(英語版)
  • Snow
  • Sorenson Video, Spark(英語版)
  • VP6
  • VP9
  • WMV
  • YULS(英語版)
  • XVC
  • Xvid
可逆圧縮
開発停止
音声ファイルフォーマット
ISO/IEC
ITU-T
IETF
3GPP
ETSI
  • AC-3
  • AC-4(英語版)
  • DTS
SAC
  • AVS(英語版)
  • DRA(英語版)
その他
開発停止
Bluetooth
画像ファイルフォーマット
IEC, ISO,
ITU-T, W3C, IETF
その他
マルチメディアコンテナフォーマット
ISO/IEC
ITU-T
IETF
SMPTE
  • GXF(英語版)
  • MXF
3GPP
  • 3GP and 3G2(英語版)
その他
団体
  • NETVC(英語版)
  • MPEG LA(英語版)
圧縮技術についてはデータ圧縮を、コーデックについてはデータ圧縮・伸張を行うコーデックを参照
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